教科書にない台湾 Part1
これを読んでいるあなたが小学5年生だったら、夏休みが過ぎて社会科の教科書の下巻をもらったら、すぐ見てください。産業学習の後の「国土」のページを。もし、6年生だったら、5年生の時に使っていた社会科の教科書の下巻「国土」のページを見てください。
「国土」のページには、日本の領土と近隣諸国が国旗つきで載っているはずです。近隣諸国には、ロシア連邦、モンゴル、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国などが紹介されていますね。では、台湾はどうですか? ありますか?
ないですよね。教科書では国旗が示されていないので、正式な独立国として扱われていないことがわかります。地図上に「台湾」という島があり、そこには「タイペイ(台北)」という都市があるかのように扱われています。それで地図上での台湾の色はというと……、なんと中華人民共和国といっしょなのです。つまり、教科書では台湾は中華人民共和国の一部で、国家としては存在しない、ということになっているのです。
おかしな話ですが、教科書には「台湾」という国は載っていないのです。実は教科書だけではありません。ほとんどの日本の地図から「台湾」という国は消されているのです。
だから、昨年度受けもっていた5年生には、こんなことを言われました。「先生、台湾は中国だよねー」。これに対して私は答えました。「いや、中国ではないよ。一部、そういう人もいるけど。これについて話すとちょっとむずかしくなるからなあ。でも、中国・・・中華人民共和国ではないよ」。実は、この私の答えもある立場から言うとまちがいなのです。
少しむずかしくなるかもしれませんが、台湾が教科書にない理由をしばらく探っていきましょう。
【追記】
以下は、興味のある方のみ、お読みください。
教科書は「学習指導要領」というものに基づいて作られています。これには、次のように書かれています。
ア アの「国土の位置」の指導については、我が国の領土と近隣の諸国を取り上げるものとすること。その際、我が国や諸外国には国旗があることを理解するとともに、それを尊重する態度を育てるよう配慮すること。【小学校学習指導要領 第2章各教科 第2節社会 第2各学年の目標及び内容 〔第5学年〕 3内容の取扱い(6)】
このため、教科書には近隣諸国の名前と国旗を掲げているのです。しかし、日本政府は台湾(中華民國)を独立国として認めていません。そのため、地図上にも実際にも台湾(中華民國)はあるのに、教科書のような扱いにあるのです。
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